Week 4 & 5
先週の要領で、課題SDGs12-17について、クラスメートと英語で共有してみよう。
(ディスカッションの準備としてワークブックの20ページに自分の考えをまとめましょう。)
機械翻訳(MT)について
機械翻訳(Machine Translation: MT)は、自前の英語力に関わらず、英語運用力をいかんなく発揮できるツールです。一昔前は、英語学習者にとってのツールは英和・和英辞書でしたが、今ではDeep Learningを経たAIが稼働するDeepLやGoogle TranslateなどからChatGPTの生成形AIまで、様々なツールを辞書の代わりとして無料あるいは比較的安価で使用できるようになりました。ある研究によると、こうしたMTの精度はTOEIC960点(ネイティブスピーカー並みの点数)程度とも言われており、これからどんどん進化を続けていきます。それにともなって、みなさんが将来就職する企業においてもどんどん導入が進んでいます。
ただし、MTにも限界があることを理解し、上手に使う方法を学ばなければなりません。そこで本授業ではMTの使い方について、予習したビデオを参考に、例文をMTにかけて検証をしてみます。
Deep L を使ったPre-editing-Translation-Post-editingエクササイズ(短文〜2、3文)
https://www.deepl.com/ja/translator
主語の不一致の例
例文:以下の文をMT(DeepL) にかけてみましょう。
例文1
彼は先週小樽に行った。小樽の市場ではたくさんの海産物が売られていたため、いくつか買ってホテルで食べた。
例文2
小樽の市場ではたくさんの海産物が売られていたため、いくつか買ってホテルで食べた。
Question
例文1と例文2をMTが産出したものを比較するとどのような違いがありますか。
Pre-edit
それでは、例文2の主語を例文1の主語と同じにしたければ、どのように例文2を編集すれば良いでしょうか。
文化的差異による誤訳の例
Step 1
風呂を沸かしてほしい
をDeepLにかけてみてください。
Step 2
次にそこで出た「風呂を沸かす」という英語表現を“”(クオテーションマーク:引用符)の中にいれてGoogle で完全一致検索をしてみましょう。
Googleの検索枠に“”で囲まれた文字列をいれると、“”に入ったフレーズを抽出して表示します。これを完全一致検索と言います。完全一致検索をすることで、“”文字列が実際に使用されている言い回しかどうかを「コーパス」のように使って確認することができます。
確認する際には、(1)ネイティブスピーカーや英語に熟達した非ネイティブスピーカーが書いたと思われるサイト、特にアメリカ(.comや.govなど、様々なドメイン有)・イギリス(.uk)・オーストラリア(.au)・ニュージーランド(.nz)の公的機関や新聞、 オンライン辞書(各辞書の出版社が公開している英英・英和・和英辞書、Weblio等)など、でその表現がでてくるか。(2) 用例が1つや2つではなく、沢山でてくるかを確認してください。
Step 3: 次の質問に答えなさい。
Question
1. DeepLの英訳は、何とでましたか。
2. Google かけた風呂を沸かすという表現をいれた結果はどうでしょうか。ネイティブスピーカーが書いたと思われるサイトが沢山でてきますか。クラス内で話し合ってみましょう。
Step 4: Pre-edit/Post-edit
「風呂を沸かしてほしい」を英語にしたい場合は、DeepLで一般的に使われる英語表現に翻訳可能でしょうか。日本語表現をPre-edit あるいはPost-editでどのようにすれば良いでしょうか。それぞれ考えて、クラス内で話し合い、皆で共有してみましょう。
Assignment:「リサーチクエスチョンとは?」動画視聴
前回のエクササイズにならって、Pre-editing / Post-editing のエクササイズをしてみよう
Deep L を使ったPre-editing-Translation-Post-editingエクササイズ(文・パラグラフ(段落))
下記のサイトにつなげる
https://www.deepl.com/ja/translator
1 自分で文・パラグラフ(段落)を書いてそれを上記のウエブサイトにかけてみよう。
2 自分でそれが合っているかどうかチェックをしてください。
3 クラスメートに読んでもらってあっているか、確認をしてもらってください。特に前回の注意点をよく確認すること。
いよいよSDGsに関するグループリサーチを開始します。
クラスの担当教員の指示に従い、以下の2通りの方法のどちらかでリサーチを行ってもらいます。
1.SDGs 1 と 2 を扱い、グループによって担当地域を分ける。
2.各グループで第2週から第4週の間に調べたSDGsに関係する世界の事象や解決策のうち、興味の持てるものを選んでトピックを決める。
1の場合、各グループ4~5名程度で担当地域を分けて行います。担当地域は、以下の通りとします。もしなんらかの理由により10グループ以上になる場合は、東南アジア2など2グループを作ってください。また地域は他チームと被らないように選んでください。
1. 東アジア (除く日本)
2. 東南アジア
3. 南アジア
4. 中東
5. アフリカ
6. 西ヨーロッパ
7. 東ヨーロッパ
8. ロシア(旧ソビエト連邦地域)
9. 北アメリカ
10. 南アメリカ
2の場合は、ワークブックの23ページからのSTEP通りに作業を進めて、リサーチクエスチョンを立ててみましょう。
(この作業は、予習として見てもらったリサーチクエスチョンの立て方の動画で示されているSTEP通りです)
最終ポスター発表の条件:
1. 英語の文献を一人あたり5個以上は参考にすること(要提出)
2. チームで壁に掲示できるようなポスターを作ること(パワーポイントで作成)
3. 英語で発表をすること
参考:過去のポスターギャラリー
本日〜来週で行うこと:
1. チーム編成(3~4名)
2. トピックや担当地域決定
3. チームで話し合いをしながら、それぞれの興味・関心に応じて、担当地域のリサーチに関する問いを立てる(課題設定をする)
4. (時間があれば)チームで話しあって、担当エリアで取り組むことを決める
この授業では、授業で設定するSDGsに関連したテーマに応じてグループワークで課題解決型プロジェクトを行い、発表をします。
ステップ1:大ざっぱな問いを立てる (Week 5)
ステップ2:情報を集めて読んでみる (Week 5)
ステップ3:具体的な問いに絞り込む (Week 5) 提出:Research Question (RQ) /Hypothesis (HT)
ステップ4:先行研究が手薄な部分を発見し、問いにつなげる (Week 6)
課題解決を行うに当たってまず大事なことが、課題を設定するための「問いを立てる」ということです。
世の中で行っている諸問題の一体何が問題で、どのように解決すれば良いのか?
これをまず「Research Question = RQ(問い)」という形で考えてみることが出発点となります。先ずは「どのようなことが課題(問題)か」を自分たちで見つけることが肝要です。また問いを立てることで、自分たちが調べたり、活動したりする内容を絞ることもでき、無駄な労力を減らせます。逆に問いを立てないまま調べ始めると、情報がたくさんありすぎて情報の渦の中に埋れてしまい、自分はいったい何をしているのかわからなくなってしまう状況に直面してしまいがちです。
先週の課題で視聴した動画「リサーチクエスチョンとは?」 で再度確認しながら、ステップ・バイ・ステップで進めていきましょう。
RQを作るときは、なるだけ(1)具体的かつ(2)検証可能なものでなければなりません。以下の良い例と悪い例を参照にしてください。
問いの例としては以下のものがあります。
「南アフリカの貧困と飢えについて」
良い例
:Why are there poverty and hunger in the eastern region of Africa? What are some of the solutions to this problem? (WhyやHowを使って表現している。)
悪い例
:Is the poverty happening in East Africa a good thing?(人の価値観により差がでるため、検証ができない。)
なるだけ5W1Hを使った文章で作ることで、自分のリサーチに広がりができます。なるべく5W1Hをつかった英文でリサーチ・クエスチョンを作るようにしましょう。また、SDGsには目標の下にターゲットがあります。(例:1.1 Eradicate Extreme Poverty) 自分のRQはそれらターゲットのどれにつながるか考えつつ、Research Questionを作るようにしてください。
SDG1と2ターゲットの参考:
No Poverty: https://sdg-tracker.org/no-poverty
Zero Hunger: https://sdg-tracker.org/zero-hunger
Hypothesis (仮説)をたてる
また問うと同様に大事な点が「Hypothesis =HT(仮説)を立てること」です。仮説は「〜ではないか」という問いに対して、「〜である/〜でない」という表現で表した「その時点での自分なりの回答」です。例えば、「Why are many African countries still poor?(何故アフリカの国々は未だ貧しいのか?)」という問いがあったとします。それについて自らのHTを「The major reasons are they have a technological disadvantage (アフリカの国々は未だ貧しいのは、技術的に不利だから。)」としたとすると、それを検証するために、さまざまなデータをアフリカとその他地域で比較検討したり、専門家によって書かれた資料を読んだりしながら、「自分の仮説が正しい。」ということを証明します。
ただ、通常、初めて取り組む内容のリサーチで、最初から適切なRQやHT を見つけ出すのは難しいものです。したがって、最初は自分でRQとHTいくつか「仮」として立ててみて、それを証明する資料が手に入りそうか確認しながら、文献サーチを進めていきましょう。
自分の考えたRQ, HTを書いてみましょう。
自分の(仮)RQ
・
自分の(仮)HT
・
参考文献は1次文献と2次文献があり、皆さんがよく使用するのは2次文献です。1次文献とは、利用者(読者)に生情報を提供するための文献です。一方、2次文献とは、新聞・雑誌記事や学術的な研究などで過去に調べられたものをまとめたり、理論化したりしたものをいいます。
皆さんが誰かがまとめたものを使用してリサーチする際には、これら文献を丸ごとコピペしてしまうと「剽窃 (plagiarism:プレイジャリズム) になってしまい、いわゆるカンニングと同様に不正行為になります。また現在、剽窃(plagiarism)をチェックするためのオンラインデータベースが存在し、わからないように剽窃(plagiarism)をしたとしてもそのデータベースにかけることによって判明してしまいます。判明すると、成績が大幅に下がるばかりか、単位取り消しになることもあり得るかもしれませんので、決して得にはなりません。
したがって、文献資料を使う際には、読んだものを自分の言葉でまとめて自分のレポートや発表に使うことが大事となります。あるいは、人の書いたものを「引用」という形で用いることも可能です。その際には、誰がいつどこでそれを書いたかを所定の方式にしたがって明記する必要があります。 (以下のリンク参照)
文献を選ぶ時の注意
Wikipediaは便利ですが、参考文献としては著者が明確ではないため使えません。 Wikipediaはあくまで自分の参考用に読む程度で、参考文献としては使わないようにしましょう。代わりにWikipediaを書くのに使っている文献にアクセスして、資料の信憑性を確認した後に文献として使うのは良いと思います。
一人の人、あるいは一つの意見のみに頼らないようにしてください。Google 検索などで上の方に出てきた専門家ではない人の記事などに書いてある事象や意見をそのまま使うのではなく、必ず同じテーマでいくつかの文献を比較し、検証した上で自分のリサーチ結果に採用するようにしてください。
愛工大図書館
https://library.aitech.ac.jp/?page_id=1097
特に「図書館資料の探し方」という項目(PDF)をみてみよう。
3. 文献が1次文献(生情報)なのか2次文献(誰かが纏めたもの)なのか判断しながら進めてください。(ただ、自分でデータをとることになる物理や電気実験などとは違い、今年度のリサーチはそのほとんどが2次文献になると思います。)また単なるコピペは厳禁です。きちんと内容を要約するか文献を明記した上で引用をしてください。 引用の仕方については、以下を参照にしてください。
日本語文献引用と解説
近畿大学図書館
https://www.clib.kindai.ac.jp/search/pdf/guide_quote.pdf
英語の文献引用と解説
立命館大学 PEP プログラム
https://navi.pep-rg.jp/pep-common/citation
データは定性データ(Qualitative Data)と定量データ(Quantitative Data)に分かれます。定性データは、状態の描写やインタビューによる会話データなどが挙げられます。定量データは、数値やグラフなどを思い浮かべていただければ想像がつくと思います。定性データは比較的小規模なデータに使われ、事象の深い理解に有効だとされています。一方で、定量データは何かのテーマについて比較的大規模な証明が必要な場合に用いられ、事象の一般化・理論化をするのに有効だとされています。
上記の二つアプローチは、どちらが良い・悪いではなく、1つがもう1つを補完しあう形で収集するのが最も有効だと言えます。例えば、今まであまり調査されたことのない分野だと元々一般化・理論化をするための大規模なデータが存在しません。そこで、まずは小さな定性データで深く物事を理解しようと試みます。そこから得られた示唆(Indication)をもとに、より大きな定量データをとるためのデータ収集のプランをたてます。その大きなデータを使って一般化(Generalization)を試み、理論を構築します。皆さんもデータ収集をする際には、定性・定量のどちらのデータをとっているのかを理解しながらリサーチを進めてください。
Project: 自分のリサーチテーマに沿った資料集めをしてみよう!
検索エンジン・図書館を利用しながら、資料集めをしてみましょう。1次文献・2次文献そして定性データ(状況描写など)・定量データ(数値・グラフなど)を考えながら、偏らないように集めてみてください。そこから使えるかどうかは別として、そのデータを、「日本語文献引用と解説」と「英語の文献引用と解説」欄を参考にしたながら、ワードファイルリストアップしてみましょう。自ら決めたリサーチテーマに応じて英語は最低3個・日本語も最低2個は集めてください。
書き方例として、最も皆さんが行う可能性の高いインターネットからの引用の例を以下のサイトから抜粋しておきますので、ご参照ください。
出典
立命館大学 政策科学部. (年不詳). APAスタイルによる英語ライティングのフォーマット方法. 13ページ.
https://www.ritsumei.ac.jp/ps/assets/file/education/tool/APA_ja.pdf
大学の公式ウェブサイト内の文書
Degelman, D., & Harris, M. L. (2000). APA style essentials. Retrieved May 18, 2005, from Vanguard University, Department of Psychology Web site: http://www.vanguard.edu/faculty/ddegelman/index.cfm?doc_id=796
独立サイト内の文書 (日付不明)
Nielsen, M. E. (n.d.). Notable people in psychology of religion. Retrieved August 3, 2001, from http://www.psywww.com/psyrelig/psyrelpr.htm
独立サイト内の文書 (著者・日付不明)
Gender and society. (n.d.). Retrieved December 3, 2001, from http://www.trinity.edu/~mkearl/gender.html
上記の例を参考に自分で調べた文献を書いてみましょう。
1
2
3
4
5
Assignments